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AIデータセンター乱立が引き起こす「ドロップケーブル不足」の構造

最近、ドロップケーブルの納期が遅れていませんか?

「いつもより入荷が遅い」「急いで発注したのに在庫が見つからない」——そんな声が現場で増えています。その背景には、生成AIの急速な普及があります。AIサービスを支えるデータセンターの需要が世界規模で急増し、GPUや電力だけでなく光ファイバ資材の需給にも深刻な影響が出ています。その"しわ寄せ"が、末端の現場資材であるドロップケーブルにまで及んでいます。

ソリッドケーブルの
ドロップを見る

AIデータセンターがファイバを大量消費する理由

AIデータセンターは、従来の施設と比べて圧倒的に多くの光ファイバを必要とします。ChatGPTのような大規模言語モデルは、膨大な数のGPUを並列で動かして処理を行います。このGPU搭載サーバーでは極めて大量のデータを高速・低遅延でやり取りする必要があり、電気信号を使う銅線では通信速度が上がるほど信号が減衰しやすく、数メートルを超える距離での大容量通信に対応できなくなります。そのため配線には光ファイバが多用され、さらに拠点間バックボーンの高密度化も進んでいます。

その消費量は、業界の具体的なデータからも裏付けられています。光ファイバ大手メーカーのCorningは「AIデータセンターは従来型と比べて10倍以上の光ファイバを必要とする」と公表しており、通信インフラ企業STLのCEOは「AIデータセンターは従来のCPUベースのラックと比べて約36倍の光ファイバが必要」と述べています。NvidiaのBlackwellのような最新GPU構成でも、従来のクラウド設備と比べて16倍という数字が挙げられており、AIの世代が進むほど消費量が跳ね上がる構造になっています。

主な要因は以下の3点です。

  • GPU間通信の大容量化:並列処理によるデータ往来が非常に多く、高速・低遅延な光ファイバ接続が必須
  • 高密度なサーバー間配線:ラック間・フロア間をつなぐ短距離光ファイバが膨大な本数必要
  • 拠点間バックボーンの増強:複数データセンター間を結ぶ長距離幹線の需要も急増

同じ原料を奪い合う構造

データセンター向けの高速光ファイバも、FTTH引き込み用のドロップケーブルも、製造には同じ光ファイバ素線(ガラスファイバ)が使われています。用途や形状は異なりますが、原材料の出発点は共通です。この素線は超純粋な石英ガラスを高温で溶かして細く引き伸ばす精密な工程で製造されており、量産できるメーカーは世界的にも限られています。

生産能力の増強が難しい点も問題を深刻にしています。光ファイバ素線の生産ライン新設には、インフラ整備などを含めると数年かかるとされており、需要が急増しても供給がすぐに追いつく構造になっていません。実際、ある大手光ファイバメーカーは来年初頭まで受注が埋まっている状態で、製品によっては納期が数週間から数ヶ月単位で延びているとも報告されています。

こうした状況の中で、大口・長期の需要が優先される傾向が生まれた結果、FTTH工事向けの素線調達が圧迫されています。これはサプライチェーンの問題ではなく需給の構造的な変化であり、だからこそ簡単には解消しません。

AIデータセンター向けに光ファイバ優先的に回されている現状があります

現場で起きていること

この構造的な変化は、FTTH工事や光回線引き込み工事の現場に具体的な形で現れています。

まず納期の長期化です。従来は数日〜1週間程度で入手できたドロップケーブルが、数週間〜数ヶ月待ちになるケースが増えています。複数の仕入れ先に問い合わせても「在庫なし」「入荷未定」が続くことも珍しくなく、急ぎの工事案件に対応できないケースも出てきています。

次に価格の上昇です。需要に対して供給が追いつかない状況では価格が上がるのは市場の必然であり、これまでと同じ予算では同じ量を調達できなくなっているケースも報告されています。

また代替品の入手も難しい状況です。同じ光ファイバ素線を使う製品はどれも同様の影響を受けており、特定のメーカーや流通業者だけの問題ではなく業界全体に及んでいるため、選択肢が狭まっています。

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サンプルあり( 50円/1m~ )

※サンプルのご注文にはメンバー登録(無料)が必要です

光ドロップケーブル 2心素線 1000m 発泡ドラム

通常価格:1巻~ 31,000 円

おまとめ価格:3巻~ 28,000 円

サンプルあり( 50円/1m~ )

※サンプルのご注文にはメンバー登録(無料)が必要です

まとめ

今回の不足は、以下の3つが重なった構造的な問題です。

  • AIデータセンターの建設は今後も続き、光ファイバの大量消費は数年単位で続く見通し
  • 光ファイバ素線の生産能力増強には年単位の時間が必要
  • 大口需要が優先される市場の流れはすぐには変わらない

この「AIインフラが末端の現場資材の供給にも影響している」構造は短期では解消しません。早めの発注・在庫確保を検討されることをおすすめします。

AIインフラが末端資材の供給にも影響しています

「放送受信セミナー」元講師M.Y.

執筆:ソリッドケーブルメディア編集部/監修:M.Y.(テレビ受信向上委員会「放送受信セミナー」元講師)

本記事は、法人向けに放送・通信工事部材の提案や問合せ対応を行う編集チームが執筆し、テレビ受信向上委員会「放送受信セミナー」講師を務めた実績を持つ専門スタッフが監修しています。

ソリッドケーブルは事業開始から30年以上にわたり、全国の法人に向けて放送・通信工事部材をお届けしてきました。ケーブル類の累計販売実績3,000万本以上、総出荷件数約30万件、取引先4,000社以上、納品先1万件以上――
この膨大な実績から得られた「製品・技術・運用に関する確かな知見」をもとに、各種ケーブルをはじめとした工事部材の選定や実際の利用シーンでのノウハウを分かりやすく解説します。

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